教育学部では、2000年4月に、自然科学から人文・社会科学にいたる多くの専門領域が併存する教育学部の総合性を生かし、各専門の枠をこえて今日的課題に取り組むために「学際コース」が設置されました。
2007年4月に開設された複合文化学科は、学際コースをさらに継承・発展させ、内容をより充実させた学科です。
複合文化学科では、ひろく文化現象を考察の対象とします。ここでいう文化とは、文学、芸術といった狭義の文化だけでなく、テレビ番組、マンガ、J・ポップその他のポピュラー文化やサブカルチャー、さらには環境、テクノロジー、国際関係といった現代社会のかかえる多様な問題系をふくんでいます。飲食やファッションのような日常生活のなかの文化もあつかいます。
こうした文化現象では、さまざまな要素が複雑にからまりあっています。
そもそも、わたしたちになじみのある日本文化なるものも、単一のものではなく、異なる起源の複数の要素から成り立っています。
たとえば、日本の漢字はもともと中国のものであり、そこから表音文字であるカタカナやひらがなが作られました。
このように、文化は複数の要素から成るとともに、それらの要素が溶けあったり、競いあっています。最近の例でいえば、日本のマンガがフランス、ドイツをはじめとした世界の各地で若者を中心に広い読者層を確保しており、マンガを読むために日本語を学ぶ学生も少なくないことなどもあげられましょう。
複合文化学科では、
文化のこのような複数性、複合性を重視するとともに、いくつかの方法論(記号論、精神分析、メディア論、カルチュラル・スタディーズ、アナール派歴史学など)を、そのつど組み合わせて分析していきます。
また、文化にたいするこうしたアプローチに広がりと深みをもたせるために不可欠なのが、外国語と情報通信です。たとえば外国でのマンガブームを分析するためにも、その地域の言葉や文化の理解が欠かせません。複合文化学科では、英語に加えて、英語以外の言語(ドイツ語/フランス語/中国語/ロシア語/スペイン語)を少なくともひとつは習得するとともに、情報通信ネットワークを活用して、情報を収集し編集していく力もつちかうことができます。
世界を見るための窓をもうひとつ開きましょう。英語のウィンドウと日本語のウィンドウしか開けない知のツールでは、これからの時代をサバイバルできません。